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エピソード4 はじめてできた友人

 バスにのって、30分くらいだろうか。あたりはすっかり暗くなっていた。老人と僕は町はずれの停留所で降りると案内されるまま、中華レストランらしき入り口へついた。中に入ると簡素なテーブルやイスがおいてある。少し日本でみるのと雰囲気が違う。注文は、無難にチャーハンや唐揚げだっとと記憶している・・。名前を聞いてなかったな。おまえは日本人か?ユタカ?ユタカか。わたしはハミッド。イラン系アメリカ人だ。20年前にアメリカに家族ときて、市民権もとった。パスポートもアメリカ国籍だ。いろいろ話をしているうちにこの老人は妻と離婚して、息子はどこか独立して離れていってしまったのだそうだ。仕事は持っているが、毎日仕事の後にふらふらとダウンタウンをうろうろするという。孤独なのだろう。聞くとこのレストランはイスラム教徒のためのものだそうな。恐らく肉類やその他制限があるのだろう。確かに少し味はかわっていた。
 食事を終えてお金を半分払おうとすると「You are my guest,I pay for you.」と僕を制止する。学生のときにアメリカ映画をたくさんみたし、NHKの子供の英会話を少しみていたかいがあって、この程度なら、なんとか意味はわかった。しかし、まだまだボキャブラリーに乏しい・・。
 アメリカにきて、何度も耳にしたが、中学で習った「Have a nice day」はあまり現地の人はつかわず、「Have a good day」という言い方が多い。niceとつかうところは、goodを使う場合が多い。こちらにこないとわからないことだ。例えばゴルフで、日本では、「ナイスショット!」というが、こちらでは「グッドショット!」というみたいだ。今後「good」は頻繁に使うようになる。他にも現地にいかないと日本では絶対習わないような言葉がいっぱいあった。なるほどこれがイキイキ英語ってやつね、と一人で納得していた。
 ハミッドは、イラン人でイスラム教徒。アメリカ人は、うそつきだという。この国では、 1.誰も信用するな、たとえアメリカ大統領であっても。 2.誰にも個人の情報は教えるな。 3.絶対夜は危険地域は一人歩きするな。 4.お金は絶対使い切るな。(お金が一番のこの国では、金がなくなると友人も去っていくそうな・・) とありがたいお言葉をいただいた。ユタカ、今夜は遅い、どこに滞在してるのだ?僕は、昼間みた看板のストリート名を口にした。「アルバラード?!」突然ハミッドの顔色が変わった。「アルバラード・・」「アルバラード イズ ア ベリー デインジャラス プレイス・・」老人の口からでたのはその一言だった。僕の放り込まれたのは、どうやらロスでも最悪に治安の悪いところだと知ったのは、それからまだ数日後だった・・。その晩は、とりあえず、ハミッドが自宅に泊めてくれるという。大丈夫かこのおっさん?まぁ、ここまできたし、今更あの危険地域に帰るよりはましだろう・・。そう思って二人でバスに乗り込んだ。
 南カリフォルニア大学。近くにはその大きな大学があって、マクドナルドと立体高速道路が交差する付近に彼のアパートはあった。アパートと言っても一階建ての小さな住宅が横に並んだものだ。あまりきれいとは言えない。鍵が厳重にかかっているそのうちのひとつに僕は案内された。
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by normandy194466 | 2005-11-16 13:09 | 旅行
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